わが国では10組に1組のカップルが不妊に悩んでいるといわれ,50万近くのカップルがなんらかの不妊治療を受けていると推測されています。
不妊の原因は男女それぞれに半々ずつあるのにもかかわらず,不妊治療はそのほとんどが婦人科で女性に対してのみ行われているのが現状です。そして,男性に問題があったとしても,そのための検査や治療は行われることなく,体外受精や顕微授精などの高度生殖補助技術(assisted reproductive technology: ART)が応用されることが多いのです。
その結果,日本では年間の採卵数が22万件を超え,世界でもっとも多く,年間3万人以上がARTにより出生しています。
私ども男性不妊を担当する医師が,不妊カップルの身体的,精神的及び経済的な負担を軽減すべく,男性不妊治療の必要性を広く啓蒙・啓発することにより,男女同時に不妊検査・治療を開始することを実現し,少子化の改善と医療経済の健全化に大きく貢献することを目的として,NPO法人男性不妊ドクターズを設立しました。
このNPO法人では医師・医療研究者が共同して,男性不妊治療の研究と情報の収集を行い,広く一般市民に対する講演会を開催して,男性不妊に関して正しい知識の啓発活動に努めてまいります。なおNPO法人男性不妊ドクターズのHPには男性不妊の原因疾患、その診断法、治療について、及び活動内容そして講演会開催の予定を掲載してまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2014年9月3日 NPO法人男性不妊ドクターズ